宝蔵院流槍術「狸汁会」

第15回 宝蔵院流槍術「狸汁会」
「狸汁会」(たぬきじるえ)

開催日時  平成29(2017)年1月7日(土)
      12:00〜

参  加  無料・先着200名

会  場  奈良市中央武道場 前
      630-8108奈良市法蓮佐保山
          4丁目1-2
      TEL.0742-26-1060


宝蔵院
 宝蔵院流槍術は約463年前(天文22(1553))、興福寺子院・宝蔵院の僧、胤栄(いんえい)が創始した奈良発祥の武道です。


歴史
 宝蔵院は明治初年まで、現在の奈良国立博物館旧館西側の位置に所在し、槍術稽古が続けられていました。そして、流祖・胤栄師より歴代、正月の稽古始には伝習者に「狸汁」が振舞われていました。このことは、幕末の奈良奉行・川路聖謨かわじ としあきら)の日記「寧府紀事(ねいふきじ)」によって確認できます。

狸汁
 「狸汁」は宝蔵院三代頃までは狸肉を使用していましたが、寺院内であるため、次第に歯ごたえが似ている蒟蒻(こんにゃく)を狸肉に見たてた精進料理へと変化しました。

狸汁復活
 平成15年1月、径1メートルの大鍋2基にてこの「狸汁」を復活し、伝統に則り稽古始に伝習者に供すとともに、多くの見学者にも味わっていただき好評を得ました。
 寒い時期にいただく冬野菜たっぷりの「狸汁」は健康料理で体も温まります。今後は、当槍術の恒例行事として伝えるとともに、古都奈良・冬のおもてなし料理としての普及を願っています。


狸汁会に先立ち、稽古始を実施しました。 H29(2016). 1. 7


第15回 狸汁会 H.29(2017). 1. 7
第14回 狸汁会 H.28(2016). 1. 9
第13回 狸汁会 H.27(2015). 1.10
第12回 狸汁会 H.26(2014). 1.11
第11回 狸汁会 H.25(2013). 1.12
第10回 狸汁会 H.24(2012) 1. 7
第9回 狸汁会 H.23(2011) 1.15
第8回 狸汁会 H.22(2010)1. 9
第7回 狸汁会 H.21(2009)1.10
第6回 狸汁会 H.20(2008)1.12
第5回 狸汁会 H.19(2007)1. 6
第4回 狸汁会 H.18(2006)1. 7
第3回 狸汁会 H.17(2005)1.15
第2回 狸汁会 H.16(2004)1.10
第1回 狸汁会 H.15(2003)1.11

ブログ
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新聞
読売新聞 2017. 1. 8 ◇宝蔵院流槍術 稽古始め
読売新聞 2017. 1. 8
 奈良発祥の古武術、宝蔵院流槍術そうじゅつの稽古始めが7日、奈良市の「ならでん武道場」で行われ、伝習者ら約30人が槍やり合わせの形などに取り組んだ。稽古後には恒例の「狸汁たぬきじる」を味わい、気持ちを新たにした。
 宝蔵院流槍術は、興福寺子院の僧が約460年前に創始した。狸汁は、歯ごたえが似ているというこんにゃくをタヌキの肉に見立てた精進料理で、稽古始めの伝習者たちに振る舞うならわし。明治初期に途絶えていたが、2003年に復活し、毎年行われている。
 この日は、こんにゃく40丁のほか、興福寺で無病息災を祈願した大根18本、にんじん50本など冬野菜をふんだんに使い、大鍋二つ分を用意。一箭いちや順三・第21世宗家(68)らが訪れた人たちに振る舞った。
 山添村立やまぞえ小6年中岡真也君(12)は「大人に交じっての初稽古で、技術も迫力も圧倒された。狸汁は温かかった」と笑顔だった。
毎日新聞 2017. 1. 8 宝蔵院流槍術 槍を操り50人が汗 稽古始め
毎日新聞 2017. 1. 8
奈良発祥の古武道「宝蔵院流槍術(そうじゅつ)」の稽古(けいこ)始めが7日、奈良市のならでん武道場(市中央武道場)であった。裸足に稽古着姿の伝習者約50人が参加。「エイッ」と気合を入れて、2・7〜3・6メートルの槍を操った。
 宝蔵院流は約460年前、興福寺子院の宝蔵院の僧、胤栄(いんえい)が創った。穂先が十字の槍(やり)が特徴で、突く以外に切り落としやたたき落としなどができ、攻守に優れている。
 この日は、2人1組となり35通りある型を練習。その後、こんにゃくを肉に見立てたみそ味の精進料理、狸(たぬき)汁が振る舞われた。カナダ出身の小学校英語教師、パベル・ランキンさん(33)=京都市=は宮本武蔵をきっかけに宝蔵院流を知り、昨年3月に入門。「槍は長くて重いが、細かい動作が多い。思った以上に深く、ずっと続けたい」と話した。
【矢追健介】
産経新聞 2017. 1. 8 「宝蔵院流槍術」の稽古始 道場に響く「エイ!」「ヤー!」
産経新聞 2017. 1. 8
奈良発祥の古武道「宝蔵院流槍術(ほうぞういんりゅうそうじゅつ)」の稽古始(けいこはじめ)が7日、奈良市法蓮佐保山のならでん武道場で開かれ、槍術を習う伝習者ら約50人が新春恒例の一斉稽古に汗を流した。
 宝蔵院流槍術は約460年前、興福寺の僧・胤栄(いんえい)が創始したとされる。十文字型の穂先を持つ鎌槍(長さ2・7メートル)を用いるのが特徴で、攻防に優れ、江戸時代に全国に広まったという。現在は奈良を中心に約100人の伝習者がいるという。
 この日の稽古には小学生や外国人も加わり、「エイ」「ヤー」と気合の入った声が道場に響き渡った。2年前から習い始めたという英国人のニック・リチャードソンさん(27)=京都市=は、「技のパターンが多くて難しいが精神を集中できる。日本の文化はとても好き」と話していた。
 稽古後、コンニャクをタヌキの肉に見立てたみそ仕立ての精進料理「狸汁(たぬきじる)」が振る舞まわれ、具だくさんの汁に伝習者や見学者が冷えた体を温めた。

2017. 1. 8